中国人にとって、旧正月は「家族が揃って過ごす大切な日」です。では実際、中国の人々はどのように元旦を過ごすのでしょうか。
日本と比較してみました。
日本とココが似ている、中国の旧正月
中国の大みそか
除夕(大みそか)は、家の大掃除をして一年の穢れを落とし、夜は家族そろって「午夜飯(ウーイエファン)」と呼ばれる御馳走を食べる習慣があります。都会に出稼ぎに行っていた家族が故郷に戻り一家団で食卓を囲む、賑やかで嬉しい1日です。
紅包(ホンパオ)
「紅包」は、日本のお年玉に相当し、子供たちは紅包をもらえることをとても楽しみにしています。また大人同士であっても、日頃お世話になっている清掃員や馴染みの運転手などに紅包を渡す習慣があるので、旧正月が近づくと彼らの仕事が心なしか普段より丁寧になることもあるほどです。
日本とココが違う、中国の旧正月
このように、中国人と日本人の元旦の過ごし方は似ていますが、異なるところもあります。たとえば、中国に関するテレビ番組のなかで、なにやら漢字が書かれた赤い紙が家の外に貼ってあるのを見たことがありませんか?実は、あの赤い紙は旧正月と関係があるのです。
「春聯」(チュンリェン)
「春聯」とは、縁起の良い文字を書いた赤い紙を対にして、家の外に貼る正月飾りのひとつ。自分で書いたり、書道家にかいてもらったりしますが、近年ではインテリアにもなる可愛らしい春聯がネットでも購入できます。
爆竹と花火は中国の正月の風物詩
かつて、中国の元旦の風物詩といえば「爆竹と花火」でした。これらが邪悪なものを追い払うと考えられていたからです。年が明け街に爆竹と花火の爆音が鳴り響くと、正月気分は一気に高まります。しかし、爆竹や花火による火災や事故が多発したため、ここ10年ほど使用が禁止されていました。
しかし、「爆竹と花火のない正月は物足りない」という庶民の声も多く、2024年から一部条件付き で解禁となっています。どちらも賑やかで楽しいものですが、道を歩く際は突然の爆竹で火傷をしないよう注意してください。
赤い下着を着用
元旦当日、中国の人々は新しく用意した赤い下着を身に付けます。中国で赤い下着は厄除けになると考えられているからです。そのため、旧正月が近づくとスーパーやショッピングセンターの下着売り場が「赤一色」となり壮観です。この時期中国に行く予定のある方は、自分用に赤い下着を購入してみてはいかがでしょうか。
地域によって大きく変わる正月の風習
広大な土地を擁する中国では、元旦の過ごし方も地域によって異なります。たとえば、中国の東北地方では「昔のお金と形が似ている」ことから、正月に餃子は欠かせません。特に旧正月の時期は黄色が「金」に例えられる卵入り餃子が好んで食されます。
また、南方に位置する広東地方の正月にかかせないものといえば獅子舞と花市。人々はカラフルな獅子舞が踊る様を見ながら新年の到来を感じ、あちらこちらで開催される「花市」で縁起が良いキンカン(富)や水仙(幸運)などを買って室内に飾り正月を祝います。
そんな賑やかな様子を想像するだけで、気持ちがワクワクと華やぎますね!