双子パンダ誕生記念―パンダをレンタルするのは、こんなに大変!  

2021年6月23日、東京・上野動物園に双子のパンダが誕生しました。実に嬉しいニュースですね。

上野動物園の双子パンダ誕生を記念して、パンダにまつわるちょっとコア?な情報を調べてみましたのでどうぞお付き合いください。

<昔、パンダにはレンタル料がかからなかった>

かつて、パンダは「外交上の贈り物」として無償で他国に送られていました。1972年日本にはじめてやってきたカンカン・ランランも完全な「贈り物」でした。しかし80年代になると野生のパンダの数が激減、中国はパンダ保護のためにパンダの無償提供を終了し、「レンタル方式」に変更したのです。

 

<パンダをレンタルするには中国の厳しいチェックに合格しなければならない>

パンダを1頭飼育するために、中国に毎年約50~100万米ドルを支払う必要があります。通常、1つの動物園に同時に2頭が貸し出され、契約期間は約10年です(延長も可能です)。

パンダを貸りるためには、中国に合格をもらえるようなパンダ舎を建設する必要があります。「パンダが生活するのにふさわしいか」をチェックされるのです。そのチャンスは2回。2回目のチエックで不合格なら、その国はパンダを借りることは不可能になります。

<「それでもパンダがほしい!」パンダをレンタルするために豪華なパンダ舎を作る国々>

オランダはパンダをレンタルするため努力すること51年!2015年、遂に中国の許可がおりて念願の2頭のパンダがオランダに渡りました。世界一豪華と言われるパンダ舎にかけた費用はなんと700万ユーロ(9億3000万円相当)!

どこにパンダがいるかわからないほどの広さ

チャイナ風にしつらえたオランダのパンダ舎

常夏の国、タイ(チェンマイ)では、パンダの故郷に似た環境を作るため、広さ600平方メートル、人口雪を降らせることで園内の温度を6~7度に保つことができるパンダ舎を作りました。

タイ・チェンマイ動物園の室内は、人工雪により常に6~7度に保たれている

<もしパンダが死亡したら、罰金を払わなければならない>

パンダの所有権は完全に中国にあるため、もしもパンダが死亡した場合、50万ドルの罰金を支払い、その遺体も中国に返還しなければなりません。

<パンダの顔を見れば、中国がどの国に力を入れているかがわかる>

パンダは中国自らも認める「外交手段」の1つです。よって、中国が重視している国には“とりわけ可愛いパンダ”を送るのだそうです。ということは、各国のパンダを並べて比べてみると「中国がどの国を重視しているかがわかる」ということになりますね。

 

どんなにレンタル料がかかろうと、飼育費用が高くなろうと、パンダの「抗うことのできない可愛さ」は経済効果がとても高いことは皆さんご承知の通り。まさに、どんなにお金がかかろうと、パンダをレンタルすることは“值得”(価値がある)なのです。